2012年10月24日水曜日

酒録 『Ardbeg』

アイラモルトの第3弾。Ardbegです。写真を見ての通り,とても特徴的なロゴです。アイラ島の南東に位置する蒸留所。地図を見ると,アイラ島の南辺にいずれも個性的な蒸留所3軒が軒を連ね,Laphroaig,Lagavulin,Ardbegという順に西から東に並んでいます。道はその先無くなるので,Ardbegが一番奥にあるということ。


箱に入っていた小冊子には,こんな記述が。

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Ardbegへの道順

Ardbeg蒸留所はアイラ島の最も南部に位置し,大西洋に面した険しい海岸に立地しています。

アイラ島に来たら,Ardbegにたどり着くのはとても簡単です。ポートエレンまで道を南にとり,Laphroaig,Lagavulinを通り過ぎ,キルダトン十字架のちょっと手前に,Ardbegの岩だらけな入り江を見つけることができるでしょう。

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LaphroaigやLagavulinは地名ですが,もちろん蒸留所の名前でもあります。つまり,ライバルでもあるわけですが,その先にあるぜってところが,なんとなく意味深げですね。



かつて隆盛を誇っていた蒸留所だったのですが,世の中のウィスキー離れのためか,1981年に一端生産中止,蒸留所も閉鎖されたとのこと。その後1997年に幸運にも再開でき,2000年には
『二度と蒸留所の扉を閉めることがないように』と,Ardbeg Committeeが創設されたとのことでした。

ネットで加盟できるので,すぐに登録しました。すると,数日してなんとリアルの郵便でCommittee参加のしるしとして『Rules and Regulations』や詳しい歴史を記した小冊子,そして特徴ある『A』をかたどったシール(temporary tatooと書いてありました)が送られてきたのです。

何ともスタッフの熱意が伝わってくる蒸留所ですね。

もちろんその味の方も,個性的かつ独創的で,印象深いです。

飲んだのは,写真でもわかりますが,10年ものです。

その印象は。(飲み方はストレート,チェイサーは冷蔵した東京都水道水)

色  :淡い琥珀,淡いレモン色
香  :ピート香(薬品(タール)臭),やや甘い香り,煙臭,酒精香
味  :ややスパイシー,甘い,深いコク,甘苦い,塩辛い
後  :ピートの香りが残り長い,チェイサーを含んだ後も長く残る香り,チョコレートのような香り

こんな四角い箱に入ってました。


こちらのウィスキーはNon chill-filteredと書いてあり,濾過することで失われる大事な香りを守っています。また,加水していないのもその特徴のようです。

2012年10月22日月曜日

白駒池の紅葉(10月5日)

暑い暑いと言っていたのもいつの日か,ずいぶんと過ごしやすくなりました。ウォーキングで汗をかくのが気持ち良い季節ですね。

10月初旬に,白駒池の周辺を散策してきました。丁度蓼科に入った日の夕方のニュースで白駒池の紅葉が見ごろであると伝えていたので,急遽翌日向かいました。

クルマで直行すれば30分ぐらいのところなので,朝の7時くらいに着けばまだまだ空いているだろうと高を括って,6時半ごろ出て予定通り7時には白駒池の駐車場近くに来たのですが,もうすでに無料駐車場は満杯。皆さんの行動力はすごい。仕方がないので,有料駐車場のほうへやや進んだ,駐車禁止とはなっていない路肩に駐車しました。その場所も次々と来るクルマであっという間に一杯。人気スポットですね~。

歩き始めは,麦草ヒュッテから林間を行くコースにしました。有料駐車場から行けばすぐですが,できるだけ自然の中を歩いてみようと。


麦草峠ですでに標高2127mあるので,結構涼しいですね。長袖がちょうどいいです。


麦草ヒュッテは大きな三角屋根の立派な小屋です。ヒュッテの脇から林間に向かう道が始まります。


最初スズタケの原っぱが続きますが,直に樹林帯に入っていきます。もうすでに紅葉し始めている木々が見えますね。まだ緑が濃いこの季節は,紅葉した木と深緑の木のコントラストが素晴らしく,見ていて美しさと生命力の両方を感じます。


樹林帯は苔が多く,まさに苔の原生林になっています。苔は全く知らないので区別もつきませんが,ふんわりと地面を覆う姿は,実に美しく森の生物が助け合っているのが分かる気がします。

途中,『白駒の奥庭』と名付けられた,岩がごろごろしたところがあります。歩くのは木道の上ですが,まるで這い松の中を泳いでいるような,不思議な錯覚を覚えます。


奥庭を抜けると,また樹林帯に入り,苔が一層深く繁茂しています。


30分も歩かないくらいで,分岐に到着です。下の道標で,駐車場とあるのが有料駐車場,右上に上っていくと高見石,白駒池は左手に二分岐しているどちらでもOK。一周回って戻ってきます。


歩くだけならば一周35分となんてことない散策ですが,紅葉を愛で写真を撮りながら歩くと,最低でも1時間はほしいですね。


左回りに,まず白駒荘の方へ向かうことにしました。特別な理由はありませんでしたが,そちらが見た目で下り方向だったので。どうせ一周してくるんだから同じですけどね。


下り始めると,樹間から池の水面が見えてきます。


樹林帯を抜けると,すぐにこんな景色が見えます。この時点でもはや感動。

で,周りには立派なカメラを用意した方がたくさん。なんとなく手持無沙汰気に何かを待っています。


写真では解り難いですが,この日は快晴とはいかず薄い雲が空を覆っています。太陽の光が強いほど写真は映えるので,皆さんおそらく太陽の光を待っていたのでしょうか?


それとも,風が治まって水面が鏡のように滑らかになるのを待っていたのでしょうか?

どちらも待たずに感動のままに写真を撮りましたが,紅葉の綺麗さはお分かり頂けると思います。


ぐるっと一周できるので,歩いているうちに最初に見た景色のただなかに自分がいることになります。遠くから見てもきれいですが,近くから見てももちろんきれいですね。

最初に見た景色は,ちょうどこの写真に写っている白駒荘のほとりからみたものになります。


寒いくらいの陽気でしたが,果敢にボートに挑戦している方もいます。湖面から見る景色もきっと素晴らしいのでしょう。

白駒池は自然の池で,この標高にある池としては日本最大とか。あと一か月ちょっとすれば全面結氷だなんて,寒いんですね。


途中にあった四阿で朝食をとり,温かい紅茶を飲むとホッとしました。

この紅葉に気をよくして,近くの紅葉の名所横谷峡にも足を延ばします。

春先(といっても5月)は水の流れが勢いよかった印象ですが,秋はどうでしょう。


標高がちょっと低いので,この時は紅葉のはしりが感じられたくらいでした。まだまだ緑濃いですね。

でも,横谷観音付近の樹林には,紅葉している木もあります。

実は下の写真,見事に紅葉した木に見えます。紅葉しているのは確かなんですが,実はこの木は針葉樹です。上の方の葉を見るとそれと分かります。んっ,とするとこれはなんだ?

幹をよく見てみると,蔦のような蔓が何本かからみついていました。どうも,蔓性の植物が針葉樹の本体を乗っ取ったような形で紅葉している木だったのです。ちょっと見では解らない。


日なたにはトリカブトの花が。


そして,今にも咲き始めそうなリンドウの花も見つけました。


やっぱり,秋はもう来ていましたね。

秋を堪能できた散策でした。