2012年5月12日土曜日

蓼科大滝,杜鵑峡,八島ヶ原湿原(4月29日)

前日の横谷峡歩きは高低差が結構あって疲れましたが,天気がよさそうなので翌日も色々と欲張って歩いてきました。

まずはヴィーナスラインを下り,蓼科湖へ降りる直前の大きな左カーブのところ,そうあの不思議な形をしたモニュメントのすぐ下の右側,ホテル滝の湯へ入る道,の僅かに上の道。解り難いですね。私も間違えて,ホテルの玄関に着いてしまいました。
左手にホテルを見ながら細い道を進むと,大きく左に曲がって沢を渡るところに,蓼科大滝の入り口が。特に駐車場はありませんが,道幅が広くなっているところに車を停めておきます。

沢の左岸を入って行くと,大きな石がたくさん転がっているあたりに来ます。結構湿度があり,苔も生えています。そして何より,驚くべき木の生き様を目にすることができます。


何かの間違いで岩の上に根付いてしまったのでしょうか?直径1mは優に超すような太い幹が,岩に上に腰掛けるようにして天に向かって枝を伸ばしています。よくここまで立派に大きくなったものですね。逆境にめげずに生きていくとはすばらしい。この木の生き様に『脱帽』。

ここから大滝はもうすぐ。水音が聞こえます。


こちらの水量も,昨日の横谷峡同様たっぷりとして,実に見事です。この水の流れに暫し見とれていました。


ちょっと上から見ると,また雰囲気も変わります。ここにも四阿があります。


遊歩道案内図によれば,この近辺をぐるりと周回できるようですね。今回は大滝を見てすぐに次の目標に向かいました。


次の目標は杜鵑峡(とけんきょう)というやはり水にまつわる景勝地です。蓼科には40年以上昔から来ていましたが,杜鵑峡という地名は今回初めて知りました。


ヴィーナスラインを更に下り,蓼科湖を過ぎ聖光寺の桜がまだ咲いていないことを確認し,東急リゾートへの分岐を過ぎ急な下り坂を降り切って登り返す直前,ちょうどその交差点を右折します。緩やかに林間の道を下り,右手に何軒かのカフェやペンションを見送ると,下り坂の正面に食堂が見え,道は左に大きくカーブして沢を渡ります。車は,カーブが終わるあたりの左側に広いスペースがあり,停めることが可能です。沢を渡ってすぐの左側は食堂の駐車場なので,無断駐車は不可です。

目の前にこんな案内板が。


杜鵑とはホトトギスのことらしく,季節になるとその美しい鳴き声が聞こえるとのことですが,今回はちょっとまだ早いようです。

急な坂道を上り,林間を抜けていくと,吊り橋が見えてきます。小さな吊り橋ですがやはりここも水量が多く, 流れが耳に心地よく響きます。


と,もうそこは景勝地杜鵑峡です。



実は,この時既に杜鵑峡にいるのだとは解らず,更に上に上ってから『あぁ,あそこだったんだ』と気が付きました。それほどあっという間に着き,通り過ぎてしまいます。

急な登りに息が上がり,周りの景色を見る余裕があまりありません。どんどん高度を上げると,目の上に四阿が見えてきます。水音はもうずいぶん下になり,風の吹き渡る音の方がよく聞こえます。四阿で一休みして息を整えて更に上ると,ほどなく広い林道に出ます。車の轍の跡もあります。


冬枯れた木立と,強烈な日差しがアンマッチで,ちょっと不思議な気分になります。

さらに林道を下っていくと人家が近づき,出口に到着です。


案内板には一周約30分とあり,実際休憩を少しとって35分でした。

急登から後林道の後半は,特に普通の山の散策なので,水辺を楽しみたい向きには杜鵑峡までを往復すればいいと思います。

さてこの時点でまだ9時半。まだまだホンの足慣らし程度です。次の目的地は八島ヶ原湿原です。 杜鵑峡から向うには,大門街道で白樺湖に行くと近道なので,そちらへ。途中,白樺湖からは蓼科山がとても見事に見えます。


大門峠を左折し,車山,霧ケ峰と続く高原ルートは,とても見晴らしがよく,北アルプス,御嶽山,中央アルプス,南アルプス, 八ヶ岳と,180度を超える展望が展開します。残念ながら,富士山は見分けられませんでした。

肉眼ではとてもきれいに見えても写真に撮ると遠くの山はうまく写りません。近いので比較的よく撮れた八ヶ岳がこの姿です。


程なくして霧ケ峰のスキー場が見えてきたところで,道を右に取り八島ヶ原湿原へ。さすがにこの日は連休の二日目でしかも天気がいいので,八島ヶ原湿原の駐車場はほぼ満車。うまく滑り込んで,靴を履きかえ,湿原歩きです。

駐車場からヴィーナスラインの下をくぐるトンネルを抜けて湿原の入り口に立つと,まず眼下に広がる景色がこれです。


手前に木道があるのが解りますが,いったい湿原の向こうの方はどの辺を歩くのだろう。一周3.7Km,時間一時間半のコースですが,見渡すと広く感じます。後で調べると,立っている場所から上の写真の湿原と山の端の境にある道までの距離は,およそ1Kmです。まだまだ冬景色の湿原ですが,色々なものが見られそうです。


木道は,広い一本道になっているところと,細い二本道になっているところがあります。木道以外を歩くことは禁じられています。


入口の展望台から左手奥に見えた水辺の近くに,休憩できるスペースが設けてあります。まだ11時ちょっと過ぎでしたが,早めの昼ご飯を取りました。こんな景色の中で食べる握り飯は最高です。

この写真のほぼ中央,山の端の切れ込みのあるあたりが,入口の展望台です。

蓼科は今どこも鹿が増えて困っているようですが,ここでも強烈な対抗策を強いられているようです。


八島ヶ原湿原全体を鹿の食害から守るため,2mぐらいある柵が張り巡らされて,遊歩道では扉を開けて出入りします。


自然を自然の姿に守っていくために,人の手が必要になるという矛盾。


でも美しい自然とはいつもふれあっていたいしね。

冬の景色でまだ緑がないですが,そのおかげでふれあえる素敵な自然を見つけました。


このボールのような不思議な『黄緑』の塊。ヤドリギですね。冬景色の中ではこんなに目立つんだ。

もう一丁。


歩き始めてちょうど1時間半,そろそろ終わりが近い様子です。ちょっと空模様は緩んできたかな?


続く木道の先,右の峠に見えるあたりが入口展望台。ここからさらに右の鷲ヶ峰に登っていくコースもあるんですね。

この日は歩くのはこのくらいにして,甘いものがほしくなったので女神湖まで行ってソフトクリームを食べ,無事に小屋までたどり着き,長い一日を終わりにしました。

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