2012年9月2日日曜日

蓼科湖 散策(8月26日)

初めて蓼科を訪れたのはいつのことでしょうか?高校生くらいだったと思うので,40年以上前になるのかもしれません。

いつも必ず蓼科湖の脇のヴィーナスラインを通っていましたが,蓼科湖を散策したのは今回が初めてでした。観光地的な印象があって,わざわざ散策するような気が起きなかったのですが,知らずして××とやらになりそうなので,空いていそうなこの時期,歩いてみました。

で,気が付きました。素敵なところもあるなぁ~。それをご紹介してみます。

蓼科湖が人造湖であることは知っていましたが,その目的のひとつに農業用水として使うために温めることがあったのは,初めて知りました。4月末に訪れた御射鹿池と同じです。ただ,こちらは『観光』にも力点が置かれていた点が少し違います。


ヴィーナスラインから,蓼科湖を左回りに辿ります。土産物店や飲食店の間を抜け,左手に湖を見ながら歩きます。


この桟橋は釣り客のためです。朝7時前なので,遠くの湖面には靄が立っています。この写真で奥の方は蓼科湖への水の流入口になっているので,水温が低いのかもしれません。


 少し回り込んで,ホテルやペンションが立っているあたりから振り返ると,蓼科山(左)と北横岳(右)が並んでいる景色を見ることができました。太陽が低いので,右手の方は明るく飛んでしまっています。


そのまま湖面に沿って道を歩くと,横谷峡への分岐を示す看板がありました。横谷峡はやはり4月の末に歩いたのですが,こんなところからも繋がっていることが分かりました。横谷峡入口まで40分なので,すぐですね。

上の看板の『現在地』からは,沢沿いの遊歩道(蓼科湖沿いの道)をたどります。途中,湖畔の草むらの中に,この付近の開拓の歴史を刻んだ石碑が立っていて,戦後の復興時に農業と観光を目的に開拓を進めた記述が書いてありました。もっとも,この辺の多くの方は,現在は農業よりも観光で生計を営んでいるとの記述もあり,時間の流れも感じました。

この日はその石碑の近くの草むらで,朝食です。朝はちょうど日陰になるあたりで,気持ちの良い朝食になりました。

朝食後,蓼科湖への取水堰のあたりを過ぎたところで右手に大きなホテルがありますが,そのきれいに整備された芝生の庭園に入る小さな門が開かれています。『あれっ,ここはマリー・ローランサン美術館があったところでは?』まさか無料開放?早朝でラッキー?

後で調べて分かりました。『マリー・ローランサン美術館』は昨年9月いっぱいで閉館してしまったとのこと。併設のこの彫刻公園ともども管理していた隣接のホテルの経営が昨年9月で別の会社に移ったのを機に,彫刻公園のほうは茅野市が維持費を補助して無料開放することになったとのことでした。 う~ん,知らなかった。

とても素敵な彫刻公園の写真をいくつか。

湖畔からの小さな門を抜けるとすぐに見えるのがこの景色。それまでの自然な景色とは明らかに趣が異なり,きれいに整備された手入れされた美を感じます。日本庭園とはまた違った,西洋風の流水庭園。


 ゴルフ場を思わせるきれいに目のそろった芝生と,その間を流れる水の風景が調和しています。


 まるで芝生の海の中にある孤島の様な四阿が,快適な日陰を提供してくれます。芝生に点在する彫刻たちが凛々しい。


入り口近くにあるこの跳ね橋は,どこかで見た様な。


山の中に点在する彫刻たちも,違和感がなく昔からそこにいたような錯覚を覚えます。


朝日をいっぱいに浴びたブロンズの彫刻は, 光の凹凸が鮮明で,彫刻とは思えない様な艶めかしさを感じてしまいます。


 こんな素晴らしい環境を観光のためとはいえ,市の予算を1000万円も確保して提供してくれる茅野市に,感謝脱帽です。ありがとう。


2時間の散策の中で,自然の美しさと人間が造形した美しさが見事に調和しているのが『蓼科湖』の今の風景であることが分かりました。美しさを保つためには,どちらの場合も人間の努力が必要であることも。

これからも,蓼科の美しさを色々と見つけていきたいと思います。

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